50代で家を買い替えた話

50代になって夫とは別の人生を歩みたくなり自宅を買い替えて新しい生活をスタートさせた顛末記

住宅の買い替えに伴う確定申告④~譲渡損失~

住宅ローン控除については一通り質疑応答が終わった感じで、持って行った書類も足りているようだったので、

「じゃああとは譲渡益がないという確認をしたら終わりかな?」と勝手に思っていました。

 

買った金額より高く売れたら利益が発生したことになるから税金を払わなければいけないんだろう。

でも私は逆に損しているから、それがわかればローン控除の申告を書いておしまいだろうなと。

 

「じゃあ今度は売却された不動産について確認します」と税務署のおじさま。

旧住居を購入したときの売買契約書を差し出しました。

「あの、夫と2分の1ずつの共有で20年くらい前に購入しました」

旧住居の登記事項証明書も出しました。

「新築マンションですね?」

「はい、当時は」

書類を見てポイントとなる箇所?をチェックしている。

「あと、売却したときの売買契約書はあります?」

「はい」

見た覚えがあるので持ってきたはず。書類の束をごそごそかき回したのですがない???

え???

「あれ。関係するものは全部持ってきたはずなのですが…」

まとめて入れたはずなのに見つからない。慌てたのですがとにかく落ち着こうと思い、持ってきた書類を順番にめくっていく。

銀行とのローン契約書もあるのに(これは結局不要だった😓)、買ったときの売買契約書もあるのに、なぜ売却の売買契約書が入っていないんだ~。

 

「すみません。忘れたようです」

「そうですか。では次回必ず持ってきてください」

次回。結局今日だけでは終わらないんだ…。

 

「購入してから売却するまでずっとこちらに住んでました?」

「そうですね」と答えてからハッとする。

「(買い替えた物件の登記に)必要だったので住民票は先に移しました」住民票をお見せする。

「売却より前に移したんですか?それでは、旧住居を購入してからずっとそこに住んでいたという証明が欲しいですね。戸籍の附票をとってください。そこには過去から現在までの住所が出てきますから」

 

「あと、売却したときは不動産業者が仲介してますか?その仲介手数料の領収書も持ってきてください。それと印紙代も払っているはずなので領収書残ってますかね」

「あると思います」

「じゃあその代金も売却にかかった費用として控除できますから両方コピーをとって持ってきてくださいね」

「わかりました。じゃあ今日は出直すということですね…」

 

次回必要なものの確認

  • 旧住居の売買契約書(購入&売却の両方)写し
  • 売却時の仲介手数料領収書写し
  • 売却時の印紙代領収書写し
  • 旧住居にずっと住んでいたことが分かる戸籍の附票
  • 今回持参した不動産登記事項証明書(購入物件&売却物件)と銀行のローン残高証明書、源泉徴収票
  • マイナンバーカード等身分証明書
  • この日渡された住宅借入金等特別控除の申告書

これで全部だったかな?(あのときから時間が経ってしまったので、もしかしたら何か書き忘れているかもしれません🙇)

 

「じゃあまた予約を取ってから来ます」

「そうですね。私がいれば対応しますがいない場合はこれを税務署員に見せていただければ概要がわかるようになっています」とメモを書いて渡してくれました。

 

「念のため説明しますが、住宅ローン控除は税額からローン残高の1%を控除する制度です。しかし譲渡損失については所得金額から控除していきます」

 

はい。よく違いがわかっていない私でしたが控除の性質が違うという意味なのかな?とりあえず相槌を打つ。

 

「売却代金などお聞きした内容からざっと概算を計算してみたんですが、おそらく譲渡損失が所得を上回ると思いますよ」

はい。意味が分からず怪訝そうな表情をした私に対して

 

「多分お支払いになった税金は全額還付できると思います」

 

ええー----!!!

ちょちょちょちょちょっと!!!

 

「そそそんなことってあるんですか!!!」

ぜいぜいしながら身を乗り出した私に優しく説明。

「あなたの場合は居住用財産を買い替えたときの譲渡損失控除に該当するわけね」

該当するには要件が幾つかあるそうですが、私の場合は満たしているそうなので。

 

  • 損失をざっくり計算すると、旧住居を購入された時が5200万で持分が2分の1ですから、あなたは2600万支払ってる。これが取得費。
  • それから22年経過して、建物は劣化していきますから減価償却(価値が下がっていくことらしい)する。償却費を計算すると大体400万強かと思う。当初の取得費から償却費を引いた額が取得費になる
  • そして売却時にかかった仲介手数料と印紙代は必要経費として計上できるので、2分の1を取得費に足す。これが必要経費の合計になる
  • 売却金額3200万の2分の1である1600万が収入金額
  • 収入金額から必要経費を引いたものが譲渡所得金額

 

(端数を省いて本当にざっくりした計算にしてありますが)

2600万(取得費)-400万(償却費)+50万くらい?(手数料等)=2250万?(必要経費)

1600万(収入金額)ー2250万?(必要経費)=-650万(マイナスなので損失)

 

令和3年の私の所得は600万くらいだったのです。

譲渡損失で相殺すると所得額はマイナスになるため、所得税はゼロになる。

 

所得税ゼロだって?!!

 

本当に勉強不足と言うか…

一応税務署のホームページは見たのに理解不足と言うか…

いやいや。今でも本当に理解しているのかはなはだ疑問なのだけど😓

 

舞い上がってしまった私はおじさまに何度もお礼を言い、帰りにすぐ役所へ行って戸籍の附票を請求。

勢いよく「ここ(旧住居)にずーっと住んでいたことがわかるものでお願いします!」

「ずーっとですか?」困惑した市役所の方。

 

「お客様の場合は転入されたときに戸籍をここに移していますから、それ以前のことはわかりかねますが」

「それでいいんです」説明不足な自分に反省する。。。

 

再びLINEで税務署の予約を取り、書類を確認して必要なものを揃え、今度は忘れ物のないように何度もチェックして次に備えました。